2006年 08月 23日
8月22日(火)今日は稽古はお休み
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劇団黒テント公演「ど」を観る。
福島県教育会館の会議室に舞台は設営されていた。初めて入る小屋だったけれど、会議室というよりは公設のギャラリーのような気の利いた空間。縦に長い会議室の中央を縦断するように細長く舞台が設置され、観客はその三方を取り囲むようにして座る。
吃音者を描いた原作小説をそのまま舞台化した作品で、登場人物たちは会話のほかに、小説の地の文も読む。「『○○○。』と彼は言った」という具合に進められた語りは、明らかに観客を意識して発せられるため、なかなか進まないその会話が最初とてももどかしく感じられたが、よく考えるとその「もどかしさ」は、吃音者がどもっている時に感じる「もどかしさ」に違いなく、その作品の巧妙な構造づくりに唸る。わたしはその時、吃音者のどもる際の時間感覚に完全に同調していた。物語ることに対する可能性は非常に広い。他者と何かを共有することに対して物語がとても有効であることを、今一度教えられた気がする。
その後は劇団員さんの打ち上げに合流。とても楽しい時間を過ごしました。
by O_pelican
| 2006-08-23 12:10
| 日記